コトリバコ②の続き
M「それと、たぶんみんなあの箱の中身が何かを知りたいだと思う。
M「ここまで話したら、もう最後まで聞いてほしい。
M「俺も全部は知らんけど、知ってることを話す。
M「ここはもう箱終わったけん、問題ないと思うし
M「正直、残りの箱はあと二つ、たぶん俺が祓わんといけんもんだけん
M「俺の決意ってのもある
M「それと、S父さんは本来知っておかんといけん話だけん
M「それとAは、たぶん今話とかんとしつこいけんなぁw
M「あの箱はな、子取り箱っていって間引かれた子供の身体を入れた箱でな
M「作られたのは1860年代後半~80年代前半頃。
M「この部落(俺らの言葉では部落といいませんが、差別用語です)は
M「このあたりでも特にひどい差別、迫害を受けた地域なんよ
M「で、余りにもひどい迫害だったもんで、間引きもけっこう行われていた
M「△▼(地域名です)の管轄にあったんだが
M「特に△▼からの直接の迫害がひどかったらしい。
M「で、働き手が欲しいから子供は作るが、まともな給料がなく
M「生活が苦しいから子供を間引くと・・・ これは一応わかるよな?
M「で、1860年代後半かな?隠岐の島で反乱があったのはしっちょるか?
M「その反乱は1年ほどで平定されたらしいんだけど
M「そのときの反乱を起こした側の一人が、この部落に逃れてきた
M「島帰りってやつだな・・・
M「反乱の理由とかは学校で少し習ったろ?隠岐がすごい裕福な土地だったってこととかも
M「まぁ、それはいいや。
M「で、その島帰りの人間、名前がな・・・ ◎○って言うんだよ。
(俺の苗字と同じでした。なんだか訳わかんね・・・)
◎○⇒以下AAとしますね。
M「AAは反乱が平定されて、こっちに連れてこられた時に
M「隙を見て逃げ出してきたそうだ、話によるとだけどな。
M「この部落まで逃げてきたと。
M「部落の人らは、余計な厄介ごとを抱えると、さらに迫害を受けると思って
M「AAを殺そうとしたんだって。
M「で、AAが「命を助けてくれたら、お前たちに武器をやる」
M「というようなことを言ったそうだ。
M「その武器って言うのがな、小箱だ。小箱の作り方。
M「部落の人はその武器がどのようなものかを聞き、
M「相談した結果、条件を飲むことにしたんだ。
M「AAはもう一つ条件を出してきた。
M「武器(小箱)の作り方を教えるが、最初に作る箱は自分に譲って欲しいということ
M「飲めるなら教える。どうしてもダメなら殺せと
M「部落の人はそれを飲んだ。
M「そしてAAは箱の作り方を教えた・・・
M「作り方を聞いてからやめてもいい、そして殺してくれてもいいともAAは行ったそうだよ
M「それだけ禍々しいものだけん、この小箱ってのは、AAも思うところがあったのかもな
M「ただ、「やり遂げたら自分も命を絶つが、それでもやらなければならないことがある」
M「そうAAは言ってたそうだ
*箱の作り方、全部載せるとさすがにやばそうなので?いくつか省きますね。
M「それで、その方法がな、最初に複雑に木の組み合わさった木箱をつくること
M「これはちょっとやそっとじゃ木箱を開けられないようにするための細工らしい。
M「これが一番難しい作業らしい。お前らもちょっと見ただろ?あのパズルみたいな箱
M「アレを作るんだ。
M「次に、その木箱の中を、雌の畜生の血で満たして、1週間待つ
M「そして、血が乾ききらないうちに蓋をする。
M「次に、中身を作るんだが、これが子取り箱の由来だと思う。
M「想像通りだと思うが。間引いた子供の体の一部を入れるんだ。
M「生まれた直後の子は、臍の緒と人差し指の先、第一間接くらいまでの
M「そして、ハラワタから絞った血を
M「7つまでの子は、人差し指の先と、その子のハラワタから絞った血を
M「10までの子は、人差し指の先を
M「そして蓋をする。閉じ込めた子供の数、歳の数で箱の名前が変わる
M「一人でイッポウ、二人でニホウ、三人でサンポウ、四人でシッポウ
M「五人でゴホウ、六人でロッポウ、七人でチッポウ
M「それ以上は絶対にダメだとAAは念を押したそうだ
M「そして、それぞれの箱に、目印として印をつける。
M「イッポウは△、ニホウは■といった具合に。
M「ただ、自分の持っていく箱、ハッカイだけは7つまでの子を、八人をくれと
M「そして、ハッカイとは別に、女1人と子供を1人くれと。
M「ハッカイは最初の1個以外は決して作るな とも言ったそうだ。
M「普通、そんな話まで聞いて、実行なんか出来ないよな
M「そんな胡散臭い人間の話、ましてやそんな最悪の話
M「いくら生活苦しくても、自分の子供を殺すのでさえ耐え切れない辛さなのに
M「さらに殺した子供の死体にそんな仕打ち・・・・
M「でもな、ここの先祖はそれを飲んだんだ、やったんだよ
M「どういった動機、心境だったのかは全部はわからないけど
M「それだけものすごい迫害だったんだろうね
M「子供を犠牲にしても、武器を手にしないといけないほどに、すごい・・・
M「そして、最初の小箱を作ったんだと
M「各家、相談に相談を重ねて、どの子を殺すかっていう最悪の相談
M「そして実行されたんだ。
M「そして・・・ハッカイが出来上がった。
M「AAはこの箱がどれほどのもので、どういう効果なのかを説明した
M「要望にあった子供と女を使ってね。
M「その子供と女の名前は、□■と$*(伏せますね)
M「そして、犠牲になった8人の子供の名前は _______(伏せますね)
M「聞いたことあるろ?
(俺らは知ってる名前です。でもいえません、ほんとに
M「で、効果はAに言ってたようなものだ
M「女と子供を取り殺す。それも苦しみぬく形で
M「何故か、徐々に内臓が千切れるんだ、触れるどころか周囲にいるだけでね。
M「そして、その効果を目の当たりにした住民は、続けて箱を作ることにした。
M「住民が自分たちのために最初に作った箱はチッポウだった
M「俺が祓った奴だな。7人の子供の・・箱・・・
M「わずか2週間足らずの間に、15人の子供と、女1人が殺されたんだよ
M「今の時代じゃないだろ?・・・ ひどいよな・・・・
M「そして、出来上がった箱を、△▼の庄屋に上納したんだ
M「普通に住民からの気持ち、誠意の印という名目で
M「庄屋の家は・・・ ひどい有様だったらしい
M「女子供、血反吐を吐いて苦しみぬいて死んだそうだ。
M「そしてな、住民は△▼のお偉方達、△▼以外の周囲地域にも伝えたそうだ。
M「今後一切部落に関わらないこと、放って置いて欲しいこと。
M「今までの怨みを許すことは出来ないが、ほうっておいてくれれば何もしないということ
M「守ってくれるのなら、△▼へ仕事に出ている部落の者も、今後△▼に行くこともしないということ
M「そして、もしこのことに仕返しをすれば、この呪いを再び振りまくということ
M「庄屋に送った箱は、直ちに部落に返すこと。
M「なぜ放置するのか、その理由は広めないこと、ただ放置することだけを徹底すること
M「そして・・・ この箱はこれからも作り続けること
M「既に箱は7つ存在していること。
M「7つあるっていうのは、これはハッタリだったんだろうなと思う。そう思いたい・・・
M「言い方は失礼なんだけど、読み書きすら出来なかった当時の住民に
M「これだけのことが思いつくはずは無いと思うんだが・・・ AAの知恵だったんだろうか
M「△▼含め、周りの地域は全てこの条件を了承したらしい。
M「この事件は、その一時期は周辺に噂としてでも広まったのだろうかな
M「すぐさま部落への干渉が一切止んだそうだ。
M「で、この部落の大人たちは、それでも作り続けたんだよ
M「この箱をね。すでにAAはどこかに行ってたらしいんだが
M「箱の管理の仕方を残していったそうだ。
M「女子供を絶対に近づけないこと。
M「必ず箱は暗く湿った場所に安置すること
M「そして箱の中身は、年を経るごとに次第に弱くなっていくということ
M「もし必要なくなった、もしくは手に余るようなら、○を祭る神社に処理を頼むこと
M「寺ではダメ、必ず処分は○を祭る神社であること
M「そして、住民たちは13年に渡って箱を作り続けたそうだ。
M「ただ、最初の箱以外は、どうしても間引きを行わなければならない時にだけ
M「間引いた子の身体を作り置いておいた箱に入れた、ということらしい。
M「子供たちを殺すとき、大人たちは
M「△▼を怨め、△▼を憎め、というようなことを言いながら殺したらしい。
M「殺す罪悪感から少しでも逃れたいから、△▼に反らそうとしてたんだろうな。
M「箱を作り続けて13年目、16個目の箱が出来上がっていた。
M「イッポウ6つ、ニホウ2つ、ゴホウ5つ、チッポウ3つ
M「単純に計算しても、56人の子供・・・
M「作成に失敗した箱もあったという話だから、もっと多かったんだろうな
M「そして、13年目に事件が起きた
M「その時、全ての箱は1箇所に保管されてたんだが
M「監視を立ててね。そして事件が起きた。
M「11歳になる一人の男の子が監視の目を盗んで箱を持ち出してしまった。
M「最悪なのが、それがチッポウだったってこと
M「箱の強さは、イッポウ<ニホウというふうに数が増えれば強くなる。
M「しかも出来上がって間もないチッポウ
M「箱の外観は分かるよな・・・ Sが楽しく遊んだっていうように
M「非常に子供の興味を引くであろう作りだ。
M「面白そうなおもちゃを手に入れた男の子は家に持ち帰り。
M「その日のうちに、その子を含め家中の子供と女が死んだ。
M「住民たちは、初めて箱の恐怖を、この武器が油断すれば自分たちにも
M「牙をむくということを改めて痛感した。
M「そして一度牙をむけば、止めるまもなく望まぬ死人がでる。確実に。
M「そして恐怖に恐怖した住民は箱を処分することを決めたそうだ。
M「それからは大体分かるよな。
M「代表者5人が俺の家に来たんだわな。
M「そして、俺の先祖に処理を頼んだ。
M「しかし箱の力が強すぎると感じた俺の先祖は
M「箱の薄め方を提案したんだ。それはJさんの言った通りの方法
M「そして、決して約束の年数を経ない箱を持ち込まないこと。
M「神社側からは決して部落に接触しないこと。
M「前の管理者が死んだ後、必ず報告をすること
M「箱ごとの年数は、恐らく俺の先祖が大方の目安・・・
M「箱の強さによって110年とか、チッポウなら140年ほど
M「箱の管理から逃げ出せないよう、そのルールを作ったんだ
M「で、班毎に分かれたあと、一人の代表者を決め
M「各班にその代表者が届けた。そしてどの箱をどの班に届けたかを
M「俺の神社に伝え、俺の祖先が控えた後・・・・ その人は殺される・・
M「これでどの箱をどの班がどれだけの年数保管するのかは分からない
M「そして、班内以外の者同士が箱の話をするのをタブーとしたそうだ。
M「なぜ全体で管理することにしなかったのかは、恐らくだが
M「これは俺のじいちゃんが言ってたんだが
M「全体で責任を背負って責任が薄まるよりも
M「少ない人数で負担を大きくすることで逃げられないようにしたんじゃないかな?
M「で、約束の年数を保管した後、持ち込まれた箱を処理したと。
M「じいちゃんの運の悪いところは、約束の年数ってのが
M「じいちゃんとおれのひいじいさんの代に、もろ重なってたってことだ。
M「箱ごとの約束の年数っていうのは、法則とかさっぱり不明で
M「他の箱はじいさんの代で全部処分できたんだが
M「チッポウだけはやたら長くて、俺の代なんだよなぁ・・・
M「まだ先だと思って何もやってなかったけど真面目にせにゃ・・・
M「これで全部だ。箱に関すること。俺が知ってること。
M「そして、俺が祓ったチッポウは、最初に作られたチッポウだってこと。
それと、Mはさっき電話で
M「箱の年数はどうやって決めたのかは分からない。
M「俺の先祖が箱について何かしら知ってたのかも知れないし
M「AAという人物からそういう話があったらそうしてくれと頼まれていたのかもしれない。
と言ってました
以上が昨日の夜の出来事です。
もうね、三文小説のネタにでもなりそうなお話で
現実に箱事件を目の当たりにした俺も、何がなにやらで混乱してます。
http://blog.livedoor.jp/hako888/archives/50517605.html←から引用させて頂きました
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