正直、今でも文字打つだけで鳥肌が立つもんなんだけど、これは去年付き合ってた彼女の友人、Tっていう女の子の話。
Tは非常に霊感の強い家系の育ち。
幼少期におばさんからウサギのぬいぐるみを貰ったそうだ。
Tはそのぬいぐるみを大事にしていたんだって。
だけど高校上がってからの話。
もうボロボロで、目もほつれてポロンってなっちゃってるうさぎのぬいぐるみ。
それだけ大事にしてきたんだろうね。
ある日、お母さんが掃除をしてる最中にこんな事を言ったらしい。
「ねえ、このぬいぐるみ覚えてる? 昔おばさんにもらったうさぎのぬいぐるみ」
Tはびっくりしたらしい。
だって、うさぎのぬいぐるみは今自分の部屋のベッドの上にいるのだから。
お母さんが持ってきた真新しいウサギのぬいぐるみは、ちょっと小さくて、まだボロボロじゃないきれいな状態。
お母さんが言うには、おばさんにもらったのはこれで間違いないらしい。
気味の悪くなったTは、今までもってた人形を押入れにしまったらしい。
ある日、お母さんがTの部屋を掃除しにきたとき。
ごとん
押入れから何かが落ちた音がした。開けてみると、あのぬいぐるみが落ちてきたようだ。
お母さんは元の位置にぬいぐるみを戻すと、再び掃除を再開した。
ところが…
ごとん
再びぬいぐるみが落下していた。
元に戻す。
ごとん
何度もそれが続くため、気味が悪くなり、今度は物置状態のベランダの隅にブルーシートをかけて置いたそうだ。
そのベランダの隅っていうのが、またTの部屋のところにあるんだけれども。
ある日、Tはふとベランダに目をやったんだ。
すると、ブルーシートの上にあのぬいぐるみがこちらを向きながら置いてある。
気味が悪いからシートの下へ戻す。 しかしまたこちらを見てる。
今度はとうとうゴミ捨て場に棄ててしまった。
しかし再び人形はTの部屋にあった。
Tの家族はさすがに恐ろしくなり、人形を供養に出したそうだ。
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