これは、昨日、本当に起こった出来事です。
夜の7時に、彼女と公園で会う約束をしていました。
最近は日が短く、辺りは真っ暗でした。
彼女と会って軽く雑談をした後、俺の提案で肝試しをする事になりました。
彼女はあまり気が進まないみたいだったですが、公園を一周するだけなので彼女も納得しました。
暗くて、たくさんの木がそびえ立つ一直線の道を二人で歩いてました。
怖いと思いましたが、結構その雰囲気にわくわくもしていました。彼女はびびりまくってましたけど…。
そこで公園を半分以上歩いた時、ふと、30メートルくらい先に薄暗い電灯に照らされた不気味な公衆トイレが見えました。
そのトイレは昼間でも気味悪いと近くで有名です。
そこには、白い服を着た男の人がそのトイレに寄り掛かってました。
一瞬ドキンとしましたが、別に普通の人だろうと思い、足を止めずに進みました。彼女にも「あの人なんか怖いね(笑)」と言ったりしました。
怖がりな彼女は、あの男の人を不安げにじっと見ていました。
そのまま歩きながら彼女は言いました。
「あのね、〇〇くん(俺の名前)」
「何?」
「私、今コンタクトレンズ付けてないの」
「そうなの? それがどうした?」
「でもおかしいの。ちゃんと周りはぼやけてるのに、あの男の人だけは顔まで見えるの。この距離なのに」
「え?」
俺と彼女は思わず立ちどまった。
「おかしいと思わない?」
彼女は恐怖でいっぱいの顔だった。
その男を見ると確かに顔がはっきり見える。
俺も視力はそんなによくないのだが、なぜかあの男だけやけにはっきり見える。
それに気付いた瞬間、何やら恐怖が沸き上がって来た。
「引き返そう」
そういって彼女の腕を引いた。すると後ろからペタペタペタペタ…という音が聞こえた。振り返ると、
「ヒッヒッヒッヒ!!」
とあの男がめちゃくちゃな動きで不気味に笑いながら走って追いかけて来た。
俺と彼女は無我夢中で逃げたが、あの男は速い。
ペタペタという音と男の「ヒッヒッヒッ」という声がだんだん大きくなっていった。
すると出口が見えた。
出口は右側にあり、出口付近に人影が見える。
「助けてくださーい!!!!」
大声を上げ、必死に必死に走った。もうすぐ後ろにあの男はいる。出口まであと少し、男の息が首に当たる。
ついに出口に着いた。
「助けてください!!」
右に曲がった。
そこにいたのは……
「ヒッヒッヒッヒ」
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